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医療への責任

患者の気持ちになるには、患者になること。
だから、自分自身を手術する。

美容外科の壁を技術で取り除いていった。

高須克彌は、美容外科が医療として信頼されるためには技術を進化させるほかないと考えていた。各国で開かれる学会はもちろん、新しい技術が開発されたと聞くと世界中のどこであれ飛んで行き、その目で確認し、その手で実際に技術を習得していった。

例えば、世界で初めて脂肪吸引法を開発したフランスのピエール・フルニエ医師にパリで技術を教わり、日本に取り入れたのも高須克彌だ。まだそのころはアメリカでも脂肪吸引は盛んではなく、“脂肪吸引をしても、脂肪細胞は再生するから無駄だ。効果がないことを宣伝して金儲けしている高須はけしからん”と、大きな非難を浴びた。しかし、今では安全で効果のある治療法として、世界中で行われるようになっている。

世界の名医たちとの交流を盛んにし、世界最先端の技術を取り入れる一方で、高須克彌みずからも多くの技術を考案してきた。超音波による脂肪吸引やワキガ治療、自分の脂肪から抽出したコラーゲンによるしわとりなどもその一例。患者さんの負担がより軽い、より効果的な手術法を生み出してきたのだ。90年代後半には、ヒアルロン酸注射やボトックス注射など、メスを使わない「プチ整形」を開発。費用も時間もかからずにできることで、整形への概念を大きく変え、「キレイになりたい」という願望を誰もが叶えられるようにした。

失敗が許されないチャレンジは、自分の顔で行う。

医療は失敗が許されない。だから、保守的になり確立された技術だけに頼りたくなる。しかし、それでは進歩はない。失敗の許されないチャレンジだからこそ、高須克彌は新しい技術を、まず自分自身に施すようにしている。治療に対する自信があり安全であることを実証するためもあるが、実際に体験することで患者さんの気持ちになれることを大切にしている。痛みやダウンタイムは、自分で実感しなければ本当にわかったことにはならないし、海外から入って来た技術なら、日本人の肌質や骨格に合った微調整が必要となる。学術書を読んだりオペ風景を見物するだけではできない、患者さんの身になった手術が実現できるのだ。

1998年には「若返りプロジェクト」として、約10種類以上の施術を受けることによって、当時の美容外科における世界的新技術を日本に紹介し、その精巧な技術を自身の顔とカラダで証明した。2005年にも「若返りプロジェクト~完結編~」を実施。さらに、2008年には体形整形マシーン「ミケランジェロ」によって、脂肪をデザインすることで腹筋や背筋などを形づくる手術を行い、顔だけでなくカラダも30歳若返りに成功している。

幸せを求める美容整形は、最先端の医療だ。

美容医療は、世界的には最先端医療として存在する。第一次医療は、風邪を治したりする治療医学。第二次医療は予防医療。そして美容整形は第三次医療。もともと生まれ持った自分をさらに美しくするという幸せ追求医療。サーチ・オブ・ハピネスとも言われている。つまり、患者の心を相手にする医療。大切なのは本人の満足感。これまでの医療とはまったく違う発想で、これからますます需要が広がるジャンルだ。

これからは患者さんが医者を選ぶ時代。選ばれるためには、医者としての腕を磨き、患者さんの気持ちを知ること。高須克彌はそれを実践することで、第一線を走り続けている。

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